最近、歯に痛みを感じています。しかし、定期的に歯科医院で診察を受けており、前の検診では「むし歯はない」といわれました。むし歯以外に歯が痛むこともあるのか教えてください。
港スワン歯科・矯正歯科からの回答
むし歯ではないはずなのに痛みがあると不安ですよね。「定期健診を受けたあとにむし歯ができてしまった」という可能性も考えられますが、むし歯以外でも歯の痛みを感じることもあるのです。ここでは、「どんなときに歯が痛くなるのか」について、むし歯以外の事例をご紹介します。
間違った方法でブラッシングをしていると歯の痛みに繋がることも
間違ったブラッシングを続けていると、歯肉や歯にダメージを与え、痛みを引き起こす原因となります。その例として以下のようなものあるので、見てみましょう。
歯肉退縮
歯の周りの組織がすり減ることで、歯根が露出した状態のことを指します。歯肉が退縮すると歯のつけ根が削れ、歯がしみることがあるので要注意です。
擦過傷
口腔粘膜や歯肉に傷ができた状態です。歯を磨き過ぎてしまったときに起きやすい症状です。
クレフト
歯肉に垂直型のV字、またはU字の裂け目ができてしまった状態を指します。ブラッシング以外にも、噛み合わせの異常によって引き起こされることもあります。
フェストゥーン
歯肉の縁が浮き輪のように盛り上がった状態です。
これらはブラッシングの際に、「力を入れ過ぎる」「先の広がった歯ブラシを使う」「誤った方向にブラッシングをする」「歯磨きを使い過ぎる」といったことが原因と考えられるため、注意しましょう。
正しいブラッシング方法を覚えるようにしましょう
どんなに頑張って歯をブラッシングしていても、それが間違った方法であれば意味がありません。ブラッシングをする際は、力の強さやブラッシングの向き、ねり歯磨きの量などを意識するようにしてみましょう。
ブラッシング圧は100~200g程度の力が適当とされているので、一度ご家庭にある調理用の計りにブラシを押し当てて、普段どのくらいの力で歯ブラシを使っているか確認してみるのもひとつの方法です。また、歯ブラシの持ち方にも気をつけてみましょう。ペンを持つように握り、手首を使ってブラシを動かすと力のコントロールがしやすくなり、細やかなブラッシングができますよ。もっと詳しく正しい磨き方を知りたいという方は、歯科医院でブラッシングの指導を受けるのもよいでしょう。
なお、ねり歯磨きの量はあまり多過ぎると殺菌作用のある唾液を減らしてしまうので、小豆一粒大の量が理想的です。「ブラッシングのあとに歯が痛む」という人は、知覚過敏を抑えるねり歯磨きを使うのもおすすめです。
噛みしめや食いしばりが痛みの原因となっている場合も
通常、人の歯は上下の歯列間に1~3mm程度の隙間があり、上下の歯が接触するのは1日で20分程度と言われています。しかし、噛み合わせが悪いことや心因性の癖(噛みしめ・食いしばり)によって上下の歯が長く接触していると、歯やあごに負担がかかり痛みを引き起こすことがあります。また、頻繁に固いものを食べていたり強い噛みしめや食いしばりをしていたりする場合は、歯がひび割れてしまうことがあり、その前兆として痛みを伴うこともあるため注意が必要です。
港スワン歯科・矯正歯科 院長より
歯の痛みは、むし歯だけでなく日常的に行うブラッシングや、噛み合わせ・癖などによっても引き起こされることも少なくありません。「むし歯がない」ということは素晴らしいことですが、だからといって「歯が痛むことがない」とは限らないのです。
歯の痛みを放置していると、後に大きな弊害が現れてくることもあります。歯の痛みを感じた際には、むし歯でなくとも歯科医院で診察を受けその原因を把握しましょう。ブラッシングが原因の場合は正しいブラッシング方法を知ることで、噛みしめや食いしばりが原因の場合はマウスピースを使って歯の擦り減りを防いだり、筋肉をリラックスさせたりすることで痛みを取り除ける可能性があります。