小学生の子供に矯正治療を受けさせたいのですが、本人は自分の噛み合わせに不便を感じておらず、矯正治療に関心を示しません。どう説明すれば矯正治療を受ける気になってくれるでしょうか?
港スワン歯科・矯正歯科からの回答
子供自身が矯正治療の必要性を理解していなければ、矯正治療が苦痛になり、途中で投げ出してしまうかもしれません。子供に矯正治療を受けさせる前には、治療のメリットや期間について親子で一緒に考える機会を持ちましょう。
子供の歯の矯正はタイミングが重要
子供の歯の矯正には、乳歯と永久歯が混ざっている時期に行う「第1期治療」と、永久歯が生えそろった後に行う「第2期治療」があります。第1期治療は取り外し式の器具を用いて顎の骨格の矯正を行い、歯の生えるスペースを確保するものです。第2期治療では歯にブラケットとワイヤーを装着し、永久歯の位置を調整していきます。
歯並びによっては第2期治療からの歯列矯正で十分きれいになる場合もありますが、歯を動かすために健康な永久歯を抜歯しなければならないこともあります。大切な天然歯を一本でも多く残すためには、矯正治療が必要になる前から歯科医院でカウンセリングを受け、計画的な治療を行うことが大切です。
早い段階で矯正の計画を練るメリット
子供の歯科矯正は、歯並びや噛み合わせを整えることのほかに顎の発育を整える目的も兼ねています。顎の発育不全は咀嚼や滑舌、顔の形にまで影響を与える大きな問題ですが、大人になってからの治療には外科的な手術が必要になる場合もあるので、子供のうちに治しておくことが得策と言えるでしょう。
また、顎変形症などの特別な理由がない限り、矯正治療は保険の適用範囲外となりますが、第1期治療を行っておけば第2期治療にかかる費用が安くなる場合もあります。早期の治療開始が矯正治療にかかるトータルの費用を抑えることにもつながるので、まずは歯科医院で歯並びの状態を見てもらい、適切な治療時期や矯正装置について説明を受けましょう。
子供の矯正治療にかかる期間はどのくらい?
矯正治療の期間は大きく3段階に分けられます。1つ目は1~2か月ほどかけてカウンセリングやレントゲン撮影などを行い、治療プランを決定する期間です。2つ目は矯正装置を取り付けている期間ですが、これは歯並びの状況や使う装置などによって開きがあり短くても半年、長い場合は4年程度の期間を要します。
3つ目は矯正後の歯の後戻りを防止する保定期間です。矯正1年から2年ほどは保定装置(リテーナー)を装着する必要があります。子供の矯正治療にかかる期間は決して短いとは言えないため、子供自身の努力や親のサポートが必要になるでしょう。
港スワン歯科・矯正歯科 院長より
子供のうちに矯正治療を始めれば、理想的な噛み合わせを実現できるだけでなく、咀嚼や滑舌に関わるトラブルも未然に防ぐことができます。思春期を迎える前に歯並びが整えば、コンプレックスに悩む心配もありません。矯正治療に最適なタイミングを逃さないよう、早めにカウンセリングを受けるようにしましょう。
子供の矯正治療にはメリットがたくさんありますが、実際に治療を受ける子供自身の理解がなければ、歯科治療が子どもにとってストレスになることもあります。矯正期間や矯正中の見た目は治療法によって変わるため、歯科医院と子供と親で意見をすり合わせながら、納得のいく治療法を選びましょう。